あの日の記憶 書に刻む/8日から展示

2009年01月06日

生きることの大切さを文字に込めた大作「一期一会」について話す小阪美鈴さん=神戸市須磨区

 阪神大震災で教え子や友人を亡くした神戸市須磨区の書家小阪美鈴さんが8日、「震災の記憶」をテーマにした書を三菱UFJ信託銀行神戸中央支店 (神戸市中央区西町)に展示する。犠牲者を悼み、震災の風化を防ごうと過去にもこの時期に作品を発表しており、今回は縦2メートル、横1メートルの巨大な 和紙に「一期一会」としたためた大作を準備した。

 95年1月の震災では、東灘区で開いていた書道教室に通ってきていた小学2年の女児が、倒壊家屋の下敷きになって亡くなった。震災後の心労で親しい友人を何人も失った。

 その直後は彼女らの死を思うだけで涙が止まらず、平穏に暮らしている自分が他者の痛みを表現する気にはなれなかった。しかし、震災10年が近づいた頃から「書家として震災を風化させないためには何ができるだろう」と考えるようになったという。

 05年1月、震災の心労で夫を亡くした友人が詠んだ「愛も死も余震の中で思い知る」という俳句を書にし、初めて同店に展示した。その後も震災で失われた命を思いながら「命の足跡」「寒椿(かん・つばき) この木も震度七を知る」などの書を毎年飾ってきた。

 今回は生の喜びや人との出会いの大切さを表現しようと一期一会を選んだ。巨大な和紙に墨で一気に書いた躍動感にあふれる仕上がり。「震災という神戸の原点を忘れないため、今後も続けていきたい」という。2月9日まで。

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